地球水動態研究領域

京都大学防災研究所 附属水資源環境研究センター 堀研究室
(京都大学大学院工学研究科 都市社会工学専攻 都市国土管理工学講座 水文循環工学分野)

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研究紹介

 

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- 地球規模水循環と人間活動との相互作用 -

人間の社会・経済活動と地球規模水動態との相互作用を分析し、水資源問題の解決に資するために、経済-社会活動を組み込んだ全球水資源ダイナミクスモデルの開発、水資源の時・空間分布状況推定のためのグローバル水文量のダウンスケーリング手法の開発に取り組んでいます。

 

また、地球規模の水動態の結果として発生する水災害を防止・軽減する具体的施策を、人間行動を含めて分析するため、水災害軽減のための地域対応のモデル化と計画手法について研究を進めています。

 

主な研究の具体的な内容は以下のとおりです。

 

 1. 経済・社会活動を組み込んだ地球水ダイナミクスモデルの開発

 2. 住民意識と詳細な地物情報を組み込んだ水害避難行動モデル

 3. 地球規模気象・水文情報を考慮した水資源管理システムの開発

 

 

   (→ 地球工学科土木工学コース パンフレット)

 

1. 経済・社会活動を組み込んだ地球水ダイナミクスモデルの開発

水資源にまつわる問題を考えるためには、地球規模の視点が欠かせなくなっています。その第一の理由は、水資源問題の支配現象である水循環が地球規模の自然現象である点です。さらに、地球規模に発達した物流・経済ネットワークによって、局所的な水問題の影響が地球規模に拡大する可能性が高まっている点にも注意しなければなりません。また、温室効果ガスの排出のように、水循環・水資源事情に影響を与える変動要因の発生源が地球規模に拡大しており、1国あるいは1地域での対策のみでは、変動を制御しきれなくなりつつある点にも注意が必要です。

 

一方で、 水資源問題は、きわめて地域的な問題でもあります。資源としての淡水そのものの運搬には限界がありますし、地表に到達した雨水の移動範囲は一般に流域というスケールに限定されます。したがって、水資源の確保・保全のための直接的対策の効果は、通常、一定の範囲に限定的なものであり、対策・管理計画は地域スケールでの問題となります。

 

以上のように、今後、水資源問題を考えていく上では、異なる時間・空間スケールで水循環という自然現象と、人間活動という社会・経済現象を統合的にとらえ、分析していく必要があります。このため、当研究室では、マクロなスケールで水循環現象を把握するとともに、人間の社会・経済活動とリンクした統合型水資源ダイナミクスモデルの開発に取り組んでいます。

 

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水資源・人口・工業・農業生産を考慮した水資源ダイナミクスモデル

 

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2. 住民意識と詳細な地物情報を組み込んだ水害避難行動モデル

温暖化の進行に伴って現在までに整備された防災施設の能力を超える水災害の発生が懸念されており、水防災においては、水工施設による対応と並んで、地域社会や住民による災害対応が壊滅的な被害を防止するために重要となってきています。また、地球規模で見ると、地形的・経済的あるいは環境的要因から、大規模な施設対応が困難な場合もあり、社会による災害対応を中心に地域防災を考えざるを得ない地域も多くあります。

 

そこで、 主として洪水を対象とし、発生地域の住民の情報伝達や避難を含む災害対応行動をコンピュータ上でシミュレーションするモデル化を進めています。こうしたコンピュータモデルを駆使することにより、水災害に対する防災社会システムが、災害時にどのように機能するか、現状に問題点がないかを様々な条件の下で分析することができるようになります。

 

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住民意識と詳細な街路ネットワークを組み込んだ水害避難行動モデル

 

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3. 地球規模気象・水文情報を考慮した水資源管理システムの開発

現在の水資源管理は、原則として河川流域単位で水工施設を活用しながら行われています。しかし、地球温暖化に伴い水災害の激化が懸念されている上に、流域下流部における人口・資本の集中化に伴い、水災害発生時に予見される被害の甚大化が考えられることから、これらに対応するため、既存の水工施設の一層の計画的・効率的運用や、効果的な管理計画の策定などが求められています。


こうした目的を達成するためには、流域内での将来にわたる水動態に加え、流域に影響を与える地球規模での水動態を考慮することが必要となってきます。

 

そこで、近年急速に全球的に整備が充実しつつある広域気象・水文情報を用いて、地球規模水動態が流域に及ぼす影響を抽出し、これらを利用した水資源実管理の効率化手法や、効果的な水資源管理システムの開発を行っています。

 

 

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地球規模気象情報を用いた貯水池操作

 

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